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採用ミスマッチを防ぐには?原因と入社前後の対策を実体験から解説

「こんなはずじゃなかった」。採用したご本人からも、迎え入れた現場からも、この言葉が出てしまう状態が採用ミスマッチです。

ミスマッチは、面接のテクニックで防ぐものではありません。採用の入口から入社後までを一本の線として設計することで防ぐものです。この記事では、原因を7つに分解したうえで、入社前の対策6つ、入社後の対策5つを実践の順番で解説します。あわせて、当社自身の失敗と、防止の要になるカジュアル面談の要点までを1本にまとめました。

CONTENTS

  1. 採用ミスマッチとは
  2. データで見る採用ミスマッチの現状
  3. ミスマッチが起きたときに失われるもの
  4. 採用ミスマッチの原因7つ
  5. 当社の失敗|「採れた」のに定着しなかった採用
  6. 入社前にできる対策6つ
  7. カジュアル面談で、期待値を先に合わせる
  8. 入社後の定着につなげる対策5つ
  9. まとめ|対策は採用ブランドの設計から

採用ミスマッチとは

採用ミスマッチとは、企業が求めるスキル・価値観・働き方と、入社した人材のそれが合致していない状態を指します。どちらかが一方的に悪いのではなく、お互いの期待値がずれたまま入社日を迎えてしまった状態だということが、この問題を考えるうえでの出発点になります。

ずれが起こる領域は、大きく4つに分けられます。

スキルのギャップ

想定していた業務のレベルと、実際の能力が合っていない。

職務内容のギャップ

聞いていた仕事と、実際に任される仕事が違う。

価値観・文化のギャップ

会社の空気や意思決定の仕方に、なじめない。

働き方のギャップ

勤務時間、リモートの可否、評価のされ方が想像と違う。

どの領域のずれも、入社後に発見されるほど修復にかかる時間と費用が大きくなります。だからこそ、入口の設計が効きます。

データで見る採用ミスマッチの現状

厚生労働省の調査では、大学新卒者の3年以内離職率は33.8%です。前年より1.1ポイント低下しましたが、3人に1人という水準そのものは変わっていません。

TURNOVER WITHIN 3 YEARS

新規大卒就職者の就職後3年以内離職率/事業所規模別(令和4年3月卒業者)

33.8%

全体(大卒)/前年より1.1ポイント低下

5人未満

57.5%

5〜29人

52.0%

30〜99人

41.9%

100〜499人

33.9%

1,000人以上

27.0%

バーの長さは相対的な表現です。事業所規模が小さいほど離職率が高くなる傾向が、一貫して出ています。出典は記事末尾。

規模が小さいほど数字が高いという傾向は、毎年繰り返し出ています。人数の少ない会社では、1人の早期離職が採用予算と現場の士気の両方を同時に削るため、影響の出方も大きくなります。

産業別に見ると、大卒でもっとも高いのは宿泊業・飲食サービス業の55.4%、次いで生活関連サービス業・娯楽業の54.7%、教育・学習支援業の44.2%、医療・福祉の40.8%と続きます。早期離職のすべてがミスマッチ起因ではありませんが、入社前の期待と入社後の現実の差が主要因のひとつであることは、複数の調査で示されています。給与を上げても離職が止まらない構造については社員が辞める本当の理由で公的統計から整理しています。

ミスマッチが起きたときに失われるもの

  • 採用にかけた費用:募集費、選考の工数、受け入れ教育の投資が回収できないまま消えます。再募集にはさらに同じ額がかかります。
  • 既存社員の意欲:教育を担った先輩ほど徒労感が大きく、連鎖離職の引き金にもなります。
  • 採用の学習:なぜ辞めたのかを検証しないまま次の採用に走ると、同じ失敗が繰り返されます。

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採用ミスマッチの原因7つ

原因は、入社前に生まれるものと、入社後に顕在化するものに分けると対策が立てやすくなります。

入社前に生まれる原因

  1. 情報開示の不足:良い面だけを見せ、大変さや泥くささを伝えていない。もっとも大きな発生源です。
  2. 採用基準の曖昧さ:「いい人がいれば」の基準では、面接官ごとに評価がぶれます。
  3. 見極めの不足:履歴書と面接の印象だけで判断し、スキルや適性を確認する工程がない。
  4. 期待値のすり合わせ不足:入社後に任せる仕事と求める水準を、具体的に共有していない。

入社後に顕在化する原因

  1. フォロー体制の欠如:入社したら現場任せで、つまずきを拾う仕組みがない。
  2. 評価制度が定まっていない:何を頑張れば評価されるのかが見えず、不安と不満が育ちます。
  3. 職場環境とのずれ:配属、人間関係、働き方が、選考時に描いた姿と食い違う。

当社の失敗|「採れた」のに定着しなかった採用

ここまで書いてきましたが、当社にも失敗があります。

過去のIT人材の採用で、当社は本気度や適性の見極めよりも、人柄や愛嬌を重視した採用をしていた時期があります。応募は集まり、採用単価だけを見れば成功に見えました。しかし結果として、1年以内の離職が続きました。振り返って分かったのは、仕事の中身、とくにこの仕事で乗り越えなければならない学習の厳しさを、入社前に伝えきれていなかったことでした。

安く、たくさん採れることと、
長く働き続けられることは、別の設計です。

共感を軸にした発信は、放っておくと良い面ばかりが並びます。読み手の期待は上がり、入社後の落差が生まれます。この経験から当社は、募集の入口で仕事の大変さまで開示し、そのうえで価値観に共感した人とつながる設計に切り替えました。考え方は共感型採用は、仕組みで再現できるに整理しています。

入社前にできる対策6つ

1. ありのままの情報を開示する

やりがいだけでなく、大変さ、求める水準、乗り越えるべき壁まで開示します。応募数は一時的に減ることがありますが、減った分は「合わなかった人が入口で気づけた」数です。採用広報やSNSでの日常的な発信は、この開示を無理なく続けるための手段になります。媒体ごとの設計はSNS求人広告のやり方にまとめています。

2. 採用基準を言語化する

必須のスキル、あれば良いスキル、価値観として譲れないことを分けて文書化し、面接に関わる全員で共有します。基準は完璧である必要はありません。採用のたびに更新される前提で構いません。

3. カジュアル面談で相互理解の場をつくる

選考の前に、評価をしない対話の場を持つことで、お互いの期待値を早い段階ですり合わせられます。要点は次章にまとめました。

4. 適性検査やスキル確認を組み込む

面接の印象は、話し上手かどうかに大きく左右されます。適性検査や実技課題など、印象以外のものさしを1つ用意するだけで、見極めの精度は変わります。

5. 質問を揃えて面接する

候補者ごとに聞くことがばらばらでは、比較ができません。全候補者に共通で聞く質問を事前に決めておくと、評価のぶれが減り、候補者にとっても公平な選考になります。

6. 現場社員との接点をつくる

配属先のメンバーと話す機会を選考中に設けます。入社後に一緒に働く人の顔が見えることは、候補者にとってもっとも信頼できる情報開示です。

ここまで読んで「どこから手をつけるべきか分からない」と感じた方へ

無料の採用魅力診断では、御社の採用の強みと課題を構造化し、ミスマッチがどの工程で生まれているかを一緒に切り分けます。いま対策が不要だと判断した場合は、その理由をお伝えします。売り込みはしません。

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カジュアル面談で、期待値を先に合わせる

入社前の対策のなかで、少ない準備で始められて効果が大きいのがカジュアル面談です。選考ではないため合否を出さず、企業と候補者が対等に情報交換します。企業側も見られる側だという前提に立つことが、面接とのもっとも大きな違いです。

最低限おさえる3点

評価しないと、先に宣言する。今日は相互理解の場だと最初に言葉で伝えます。社内でも「この場では評価しない」と合意しておきます。

相手の関心を先に聞く。何に関心があって来てくれたのかを聞いてから、その関心に沿って良い面も大変な面も渡します。順番を逆にすると説明会になります。

面接化させない。志望動機を聞く、経歴を深掘りして評価する。この振る舞いが一度でも出ると、対等な場は崩れます。現場社員が同席すると、この崩れは起きにくくなります。

実施のタイミングは、選考前の接触、スカウトやリファラルの初回接点、応募をためらっている層への説明機会など、選考の手前に置くのが基本です。進め方の手順や当日の準備を詳しく知りたい場合はカジュアル面談のはじめかたをご覧ください。カジュアル面談を入口として設計している媒体の考え方はWantedly導入前に確認したい7つのことに整理しています。

入社後の定着につなげる対策5つ

入口の設計とセットで、入社後の受け皿を整えます。

  1. オンボーディングを設計する:最初の90日で何をどこまで覚えるかの地図を渡します。
  2. 1on1を定期的に持つ:業務の進捗ではなく、本人の状態を聞く時間を分けて持ちます。
  3. メンターをつける:上司以外に相談できる相手を、最初から用意します。
  4. 評価を透明にする:何を頑張れば評価されるのかを、入社初日に説明できる状態にします。
  5. キャリアの対話をする:半年に一度、この会社での次の一歩を一緒に考えます。

まとめ|対策は採用ブランドの設計から

対策を一言でまとめると、入口で正直であることに尽きます。等身大の姿を言語化し、それに共感してくれる人と出会う設計ができれば、ミスマッチは入口で防げます。そしてその設計そのものが、採用ブランディングです。

実際に、当社の子会社は紹介手数料をかけずに支援員を採用し、3名全員が2年以上勤続しました。特別なことはしていません。仕事の大変さを先に伝え、そこに納得した人と会う。その順番を守っただけです。

ACTION POINTS

今週できる4つのこと

  1. 採用基準を「必須・歓迎・価値観」の3つに分けて書き出す
  2. 募集文に、仕事の大変さを1行だけ足してみる
  3. 選考の手前に、評価をしない面談の枠を1つつくる
  4. 直近で辞めた人がいれば、辞めた理由を工程のどこかに置き直してみる

御社のどこにミスマッチの芽があるのか、一緒に整理しませんか

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出典・参考

※本記事の当社実績は次の定義によります。子会社の福祉事業所(就労移行支援)の採用3名(正規職員)は2023年2月から2025年3月までの掲載によるもので、費用は媒体費のみです(最小プランの6ヶ月契約2回・スカウト未使用・運用は内製のため人件費を含みません)。勤続年数は2026年7月時点の実績で、1名が在籍中、2名は2年以上勤続ののち円満に退職しています。過去のIT人材採用における早期離職は、当社が実際に経験した事実です。離職率は厚生労働省の集計によるもので、離職の理由別の内訳は公表されていません。本記事は成果を保証するものではありません。

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siro編集部

siro編集部は株式会社siroのメンバーによって構成されるコンテンツ制作チームです。企業のHR領域に関するお役立ちブログやセミナー情報またケーススタディ、その他siroのカルチャーなどをお届けします。