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社員ひとりの会社が、半年で5名。創業期のWantedlyの使い方と、その後

大手の求人媒体に載せても、応募がうまく集まらない。集まっても、条件の質問ばかりで話が深まらない。これから採用を始めようとする創業期の会社なら、一度はぶつかる壁だと思います。

私たちsiro自身も、同じところでつまずきました。当時はまだ社員もそろっておらず、自分ともう一人だけ。そこで初めて採用に踏み出した時期です。大手ナビ媒体には24件の応募がありましたが、採用に至ったのはゼロ。一方で、Wantedlyに切り替えてからの半年で、正社員5名(業務委託を含めると計9名)を迎えられました。実績も知名度もない、ほぼゼロからの採用です。

ただ、この話には続きがあります。迎えた5名のうち4名は、1年以内に会社を去りました。この記事では、うまくいったやり方と、うまくいかなかった理由の両方を書きます。集めることと、続くことは別の設計だと気づかせてくれた経験だからです。

Contents

  1. なぜ大手ナビ媒体では、1人も採用できなかったのか
  2. 求人票は「条件」、Wantedlyは「在り方」
  3. 半年で5名。siroがWantedlyで実際にやったこと
  4. Wantedlyで成果を出す、3つのコツ
  5. 最初から、うまくいったわけではない
  6. その後に起きたこと|採れたけれど、続かなかった
  7. まとめ

なぜ大手ナビ媒体では、1人も採用できなかったのか

大手ナビ媒体は、基本的に「条件で比較する」ことを前提にした仕組みです。勤務地、給与、休日数。並んだ条件のなかから、候補者は効率よく絞り込んでいきます。

私たちが実際に応募者とやり取りして感じたのも、そこでした。「給与は」「残業は」「年間休日は」。条件の確認が中心で、「この仕事で何を実現したいか」「なぜうちに興味を持ったのか」という話には、なかなか進みません。条件は大事な要素です。ただ、その温度感のまま入社すると、入社後に「思っていたのと違う」が起きやすい。

これは私たちの実感だけの話ではありません。新卒で入社しても3年以内に約3割が離職し(大卒33.8%、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和4年3月卒業者・2025年10月公表)、しかもこの傾向は規模の小さい会社ほど強く出ます。従業員5〜29人規模の大卒では、52.0%にのぼります。人数の少ない会社にとって、一人の採用のミスマッチが組織に与える打撃は、決して小さくありません。

求人票は「条件」、Wantedlyは「在り方」

求人票が伝えるのは、給与や勤務地といった条件です。必要ですが、それだけでは「選ぶ理由」になりにくい。条件は、より良い条件が出れば乗り換えられてしまうからです。

Wantedlyは、給与や条件を前面に出さず、企業の想いやビジョンを起点にできるビジネスSNS型のプラットフォームです。給与非公開・応募前の面談といった仕組みによって、条件ではなく方向性のマッチングが重視されます。ブログのように自社のストーリーを発信でき、社員紹介やプロジェクト紹介を通して、求人票には載らない「会社の中身」を伝えられます。

条件で選ばれた会社は、より良い条件に乗り換えられる。
在り方で選ばれた会社は、簡単には揺らがない。

売り手市場はいまも続いており、有効求人倍率は1倍を上回る水準にあります(2026年5月で1.17倍、厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年5月分)。条件で大企業と並べば、立ち上げ期の会社は分が悪い。だからこそ、並べられない土俵を選ぶ必要がありました。知名度でも給与でも大企業に届かない創業期の会社にとって、条件以外で選んでもらえる場があることの意味は大きい。求人票とWantedlyは、どちらが上ということではなく、役割が違います。条件で間口を示し、在り方で深く伝える。その使い分けです。この「在り方で選ばれる」という考え方は、採用は、出会う前からはじまっているでも掘り下げています。

半年で5名。siroがWantedlyで実際にやったこと

私たちがWantedlyを本格的に動かし始めたのは、「採用がうまくいかない」と感じていた時期でした。知名度も報酬水準も限られるなか、大手媒体からの応募はあっても内定にはつながらない。そんな状況で、想いの近い人とつながる採用を目指して取り組んだのがWantedlyでした。

結果として、半年で正社員5名、業務委託を含めて計9名を採用できました。コスト面でも、手応えがありました。運用が軌道に乗った2023年9月からの1年間では、ライトプランでの掲載にダイレクトスカウトを併用し、エントリーは726件。応募1件あたりの獲得コストは、媒体費とスカウト費を合わせても1,000円台にとどまりました(当社集計。運用は内製のため人件費を含みません)。

料金についての注記。上記は2023年9月から2024年8月にかけての実績です。Wantedlyの料金は改定されることがあり、直近では2026年6月にも一部プランで価格改定が行われています。当時と現在では条件が異なるため、これから検討される場合は最新の料金表をご確認ください。プラン構成と最新の料金体系は、当社の無料ガイドにも整理しています。

派手な裏技があったわけではありません。やったことは、次の3つに整理できます。

Wantedlyで成果を出す、3つのコツ

コツ1:スカウトは、1通ずつ自分の言葉で書く

もっとも効いたのは、ここでした。やったことはシンプルで、テンプレートを使わず、1通ずつ手で書く。それだけです。

文面は、かしこまった定型文ではなく、話し言葉に近い自然な表現を心がけました。組み立てはだいたい決まっていて、(1) いま会社が何をしているか、(2) どんな課題に向き合っているか、(3) これから何をやろうとしているか、(4) だからこそ、どんな人が必要か、(5) そのうえで、なぜあなたに声をかけたのか。この順番で、相手のプロフィールを読んで一通ずつ書き分けます。最後の「なぜ、あなたなのか」を具体的に書けるかどうかが、分かれ目でした。

正直に言うと、会社としてまだ整っていない時期は苦戦しました。それでも返信率は10%を下回らないラインを保てています(当社アカウントでの当時の実測値)。一斉送信のテンプレートでは、なかなか出ない数字だと思います。手間はかかりますが、ここを省くと一気に届かなくなる、という実感があります。

コツ2:語れる実績がないなら、代表の言葉から始める

創業まもない頃は、実績も、社員インタビューも、まだそろっていません。語れる材料が少ない。私たち自身がそうでした。

そこで軸にしたのは、代表自身のストーリーです。何を考えてこの会社を始めたのか、どんな価値観を持っているのか、これから何をやりたいのか、いま何に取り組んでいるのか。社員がいない時期に対外的に語れるのは、そのくらいしかありません。それでも、読んでくれる人はいます。

大切なのは、誰に届けたいかを具体的に思い描くことです。ほしい人材像(ペルソナ)をできるだけ明確にして、反応を見ながら書き直す。一度出して終わりにせず、リライトとチューニングを続けました。語れるものが少ないからこそ、一本の言葉を磨き込むしかなかった、とも言えます。「自分たちの言葉」で書くこと自体のコツは、自分たちの言葉で書く。伝わる採用記事のつくり方で具体的に整理しています。

コツ3:反応を見て、整える

何が刺さるかは、出してみないと分かりません。私たちはキャッチコピーや写真を変えてテストし、数字の出方を見ていました。

見ていたのは、PVとエントリーの関係です。PVは多いのにエントリーが少ない記事は、タイトルや写真で目は引けていても、本文で「応募したい」まで届いていない。逆にPVは少なくてもエントリーにつながる記事は、刺さる人に深く刺さっている。どちらのタイプかで、次に直す場所が変わります。

さらに、反応の良かった記事では、見てくれている候補者の傾向もヒントにして、本文を調整しました。ペルソナが知りたいであろうことに対して、強みとして出せる部分はしっかり出し、足りない部分は補う。この往復の繰り返しです。

最初から、うまくいったわけではない

ここまで整理すると順調に見えるかもしれませんが、運用初期は手探りでした。使い方に戸惑い、何が正解かわからないまま、記事を出しては反応を見る、を繰り返していました。

うまくいった型は、最初から持っていたわけではなく、検証の積み重ねから見えてきたものです。上の3つも、試して、外して、また試した結果です。Wantedlyは、置いておけば応募が来る媒体ではありません。自社の言葉を磨き、反応を見ながら整えていく前提で向き合うと、成果につながりやすくなります。

その後に起きたこと|採れたけれど、続かなかった

ここからは、あまり書かれない話をします。半年で迎えた正社員5名のうち、1年以上在籍したのは1名でした。残る4名は、1年以内に会社を離れています(1名は家庭の事情による退職です)。

当時の募集は、未経験から育てる前提のポジションが中心でした。入社後に学ぶ量も、求められる立ち上がりの速さも、実際にはかなり厳しい。そこに向き合いきれず、離れていった、というのが実情です。

原因は媒体ではありませんでした。採用の入口にあります。私たちは選考の場面で、人柄の良さや「一緒に働きたい」と思える相性を優先しました。その一方で、この仕事の厳しさをどこまで受け止められるか、本人がどこまで本気で取り組みたいのか、そのすり合わせを後回しにしていた。良い面ばかりを見せて迎え入れた結果が、早期の離職として返ってきたということです。

この経験から変えたことは、ひとつです。会社の整っていない部分と仕事の大変さを、選考の前に自分から話す。そのうえで、何を成し遂げたいのか、なぜこの仕事なのかを確認する。実際、この形に変えて採用を行った子会社の福祉事業所では、Wantedly経由で採用した3名が全員2年以上勤続しています(2026年7月時点。1名が在籍中、2名は2年以上勤続ののち円満に退職)。

集めることと、続くことは別の設計です。創業期は、まず集めることに必死になります。それ自体は間違っていません。ただ、集め方を磨くのと同じだけ、迎え入れ方も設計しておかないと、同じ苦労を二度することになります。この観点は小規模企業でのWantedly運用の実践記事でも詳しく書いています。

Wantedlyそのものの仕組み、料金の考え方、向き不向きの全体像はWantedlyとは?仕組み・料金・向き不向きを公式パートナーが解説【2026年版】にまとめています。導入前に確認しておきたい仕様はWantedly導入前に確認したい7つのことに整理しました。

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プラン構成と料金体系、機能の全体像、始め方の手順、当社の運用データまでを1冊にまとめています。これから検討される方は、こちらで最新の全体像をご確認ください。

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まとめ

創業まもない会社にとって、知名度や報酬で大企業と条件勝負をするのは、正直に言って難しい。けれど、条件で比較される土俵から降りて、自分たちの在り方で選ばれる土俵に移れば、勝ち筋は見えてきます。私たち自身も、採用が難航していた時期にWantedlyへ切り替え、半年で正社員5名を含む計9名と出会えました。

同時に、出会えたことと、続いたことは別でした。在り方を言葉にして人を集めたなら、その言葉のとおりの現実を、良い面も大変な面も含めて先に見せる。この2つがそろって、はじめて採用は仕組みになります。創業期にこそ効くのは、うまい言葉ではなく、隠さない言葉です。

ACTION POINTS

今日からできる、3つのこと

  1. 直近の応募者とのやり取りを振り返り、「条件の質問」と「想いの質問」のどちらが多かったか確かめる
  2. 自社の「まだ整っていないこと」を3つ書き出し、選考のどの場面で伝えるかを決める
  3. 過去のスカウト文面を1通選び、定型文になっていないか、相手に合わせて書き直してみる

自分たちの言葉で、最初の1本をつくりませんか?

Wantedlyやストーリー記事は、「自分たちの言葉」で書けてはじめて届きます。とはいえ、中にいると自社の魅力は言葉にしにくいもの。siroはWantedly公式パートナーとして、自社と子会社の運用で得た知見をもとに採用広報を支援しています。無料の採用魅力診断では、フレームに沿って自社を見直し、どの接点に何が足りないかを、御社自身が客観的に捉え直すところから始めます。

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出典・参考

※本記事の自社実績は次の定義によります。エントリー726件と応募1件あたりの獲得コストは2023年9月から2024年8月までの当社アカウントの集計値で、費用は媒体費とスカウト費のみ(運用は内製のため人件費を含みません)。当時と現在では料金体系が異なり、Wantedlyの料金は改定されることがあります。半年で正社員5名・業務委託を含め計9名は創業期の採用実績で、正社員5名のうち1年以上在籍したのは1名です。子会社の福祉事業所の3名は2026年7月時点で全員2年以上勤続(1名在籍中、2名は退職)。統計はいずれも記載時点の公表値であり、本記事は成果を保証するものではありません。

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siro編集部

siro編集部は株式会社siroのメンバーによって構成されるコンテンツ制作チームです。企業のHR領域に関するお役立ちブログやセミナー情報またケーススタディ、その他siroのカルチャーなどをお届けします。