
「Wantedlyって、うちみたいな小さな会社でも成果が出るんですか?」。
ご相談の場で、いちばん多くいただく質問です。答えは、出ます。ただし「掲載すれば」ではなく「設計すれば」です。
この記事では、従業員数名〜30名フェーズの企業がWantedlyで採用と定着を両立させるための実践ポイントを、siroとaoの実運用経験をもとに解説します。2026年時点のAI機能アップデートや、意外と語られない「契約期間の選び方」まで踏み込みます。
Contents
Wantedlyは「掲載すれば応募が来る媒体」ではない
まず前提としていちばん大切なことから。Wantedlyは、募集記事を出せば自動で人が集まる媒体ではありません。
よくある失敗は、求人媒体と同じ感覚で条件中心の記事を書く。募集要項だけを掲載する。会社説明が薄い。この状態では、Wantedly本来の強みは活かせません。Wantedlyの本質は「求人掲載サービス」ではなく、会社の考え方を発信し、共感した人と出会うための採用広報メディアだからです。
小規模企業がWantedlyで成果を出しやすい理由
一方で、Wantedlyは小規模企業と非常に相性の良い媒体でもあります。理由は3つ。知名度より「ストーリー」が評価されること。条件より「価値観」が重視されること。そして、大企業と同じ土俵で条件勝負をしなくていいことです。
給与や福利厚生の比較表では大手に勝てなくても、「何のためにこの会社が存在しているのか」は、規模に関係なく語れます。むしろ意思決定が速く、代表の顔が見える小規模企業のほうが、言葉に体温が乗ります。会社の考え方を正直に伝えられる企業ほど有利になる。それがWantedlyという場です。
【2026年最新】WantedlyのAI機能アップデート年表
「Wantedlyは古い媒体では?」と聞かれることがありますが、実態は逆です。ここ数年、AI関連のアップデートが加速しています。公式発表ベースで整理します。
ChatGPTプラグイン提供開始
ChatGPT上でWantedlyの求人情報を検索できるように。求職者との新しい接点をAI経由で開拓しました。
スカウト「AIエージェントモード」提供開始
採用要件の理解から候補者のスクリーニング、リスト化までをAIが一元的に代行。公開中の募集情報から検索条件を自動生成することも可能です(スカウト付きプラン向け・追加費用なし)。
Wantedly Hire「AI書類選考アシスタント」提供開始
事前に設定した選考基準に基づき、AIが応募書類を読み込んで合致要素を判定・可視化。担当者は候補者の本質的な見極めに集中できます。
この流れが意味することは明確です。「候補者を探す」「書類を捌く」といった実務はAIが肩代わりする方向に進んでいる。つまり、これから差がつくのは実務の処理量ではなく、「AIには代替できない部分」です。つまり、会社として何を語るか、どんな価値観で人と向き合うか。中身のない会社の発信をAIが増幅しても、中身のなさが速く伝わるだけ。共感型運用の重要性は、AI時代にむしろ増しています。
実際にsiroとaoが行ったこと(小規模フェーズ)
siroと、就労移行支援事業所を運営するaoでは、創業メンバー1〜2名のフェーズからWantedlyを活用し、複数名の正社員採用を実現してきました。当時の前提条件は、知名度なし・採用専任なし・広告予算も限定的という、典型的なスタートアップ・中小企業の状態です。
それでも成果が出た理由は、「媒体の使い方」ではなく「考え方の設計」にあります。なお、これらの成果はいずれもスカウト機能を持たない最小プラン(ライト)での運用が基本で、スカウトはテスト利用に留まります。つまりほぼすべてが、コンテンツと共感による「見つけてもらう採用」で生まれたものです。
実践ポイント3つ
①|募集より先に「会社の考え方」を出す
いきなり募集記事を出すのではなく、まず発信したのは「なぜこの事業をやっているのか」「どんな価値観を大切にしているのか」「どんな仲間と働きたいのか」といった、会社の考え方そのものです。これらをストーリー記事として伝えることで、会社の価値観に共感した人が、その後に募集記事を見るという自然な導線ができます。
②|「何をやるか」より「なぜやるか」を書く
募集記事でも、業務内容や条件の説明を前面に出すのではなく、「なぜこの仕事が存在しているのか」「社会や顧客にどんな価値を提供しているのか」「チームとして何を目指しているのか」を優先して伝えました。結果、応募時点で価値観がすり合っている状態が生まれ、面接は「見極め」ではなく「お互いのすり合わせ」の場に変わります。
③|「完璧な人材」を狙わない
小規模フェーズでは、すべてを一人でこなせる即戦力を求めるほど採用のハードルは上がります。私たちが重視したのは、スキルの完成度よりも「価値観が合うか」「学習意欲があるか」「一緒に会社をつくっていけるか」。この伸びしろ前提の採用が、入社後の定着にも影響しています。
定着の実際|うまくいった事例と、正直な失敗
定着について、事実をそのままお伝えします。
うまくいった例。aoが運営する福祉事業所(就労移行支援)では、Wantedly経由で採用した正社員3名が全員2年以上勤続しました。1名は現在も在籍しており、2名は2年以上中核人材として働いたのち、円満に卒業しています。入社前に会社の考え方を理解し、仕事のリアルを知ったうえで応募している。採用段階で”定着の仕込み”ができた結果だと考えています。
一方で、正直な失敗もあります。siro自身の過去、未経験からエンジニアを目指す仲間を迎えた採用では、早期離職を複数経験しました。振り返って明確なのは、その道への本気度よりも、人柄や愛嬌を重視して採ってしまったこと。未経験からの学習は厳しく、それを乗り越える覚悟のすり合わせが入口で足りていませんでした。応募は多く集まっていたのに、です。応募の量は、定着を保証しません。この失敗こそが、私たちが「募集より先に考え方を出す」「価値観と本気度のすり合わせを最優先する」運用に行き着いた理由であり、いま支援先にお伝えしていることのすべての土台です。実践ポイント③で「学習意欲」を挙げたのも、この経験からです。
定着は、入社後の努力ではなく、
出会い方の設計で決まっていく。
失敗しない契約期間の選び方
意外と語られませんが、Wantedlyで後悔しないための重要ポイントが契約期間です。Wantedlyには6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月の契約期間があり、長期ほど月あたりの費用は下がります。ここで考えるべき軸は2つです。
軸1: あなたの採用は「Pull型」か「Push型」か。スカウトを使わないライトプランは、コンテンツで見つけてもらうPull型。効果が立ち上がるまでに記事の蓄積期間が必要で、性質上、中長期の運用が前提です。一方スカウトを使うPush型は、短期の立ち上げに向きます。
軸2: 「試す期間」と「成果を出す期間」を分けて考える。Pull型で6ヶ月契約にすると、記事が蓄積して閲覧が伸び始めた頃に契約が終わる、というすれ違いが起きがちです。私たちの経験則では、Pull型運用で採用と定着まで見るなら12ヶ月以上を推奨します。逆に「まず社内の発信体制が続くか確かめたい」段階なら、6ヶ月で運用の手応えを測り、更新時に長期へ切り替えるのが合理的です。いちばん避けたいのは、「安いから」で24ヶ月を選び、運用が止まったまま契約だけ残ること。期間は料金表ではなく、自社の運用体制から逆算して選んでください。
プランごとの料金体系や機能の違いは、公式情報を1冊にまとめた無料資料で確認できます。
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よくある失敗パターン
Wantedly運用で成果が出ない企業には、共通点があります。更新が止まる。募集記事だけを出す。会社ストーリーがない。採用担当だけで運用している。どれも「媒体のせい」に見えて、実際は運用設計の問題です。Wantedlyは「採用ツール」としてではなく「採用広報メディア」として使うことで、初めて力を発揮します。
siroのWantedly支援の立ち位置
siroは、Wantedlyを「使えば採用できる魔法の媒体」だとは考えていません。共感型採用を実装するための手段の一つであり、企業のフェーズや状況に合った場合にこそ効果を発揮する選択肢だと捉えています。
そのため、いきなり運用には入りません。まず採用フェーズの整理、約80項目の採用魅力診断による魅力の構造化、ペルソナ設計を行い、本当に必要だと判断した企業にのみ、Wantedlyの導入・運用支援を行っています。合わない場合は、合わないとお伝えします。そして支援に入る場合も、ゴールは「siroがいなくても運用が回る」内製化です。
まとめ|Wantedlyは「運用次第」で武器にも負債にもなる
Wantedlyは、共感型採用を実装するための”拡声器”です。掲載するだけでは成果は出ない。考え方を設計すれば、小規模企業でも十分に戦える。そしてAIが実務を代替していく時代には、「何を語るか」という中身の価値がさらに大きくなります。中身が整っていれば、小さな会社でも十分に届きます。
ACTION POINTS
今日からできる、3つのこと
- 募集要項を書く前に、「なぜこの会社が存在するのか」を200字で書いてみる
- 契約期間を検討中なら、「自社の運用体制が何ヶ月続けられるか」から逆算する
- すでに運用中なら、直近3ヶ月の発信が「募集」と「会社の考え方」のどちらに偏っているか数えてみる
「Wantedlyを使うべきかどうか」から、一緒に整理しませんか?
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出典・参考
- ウォンテッドリー株式会社「AIが候補者リストを作成提案する『AIエージェントモード』提供開始」(PR TIMES・2025年11月25日)
- HRzine「ATS『Wantedly Hire』で『AI書類選考アシスタント』機能を提供開始」(2026年)
- AIsmiley「ビジネスSNS『Wantedly』がChatGPTプラグインの提供開始」(提供開始2023年7月24日)
※本記事の実績は次の定義によります。福祉事業所の採用3名(正社員)は2023〜2026年のWantedly運用によるもので、全員が2年以上勤続(勤続2年3ヶ月〜2年9ヶ月。2026年7月時点で1名が在籍中、2名は2年以上勤続ののち退職)。成果はライトプラン基本・スカウトはテスト利用のみの運用によるものであり、採用成果や定着を保証するものではありません。機能・プラン情報は記載時点の公表情報であり、最新の内容はWantedly公式情報をご確認ください。
siro編集部
siro編集部は株式会社siroのメンバーによって構成されるコンテンツ制作チームです。企業のHR領域に関するお役立ちブログやセミナー情報またケーススタディ、その他siroのカルチャーなどをお届けします。