
障がい者の採用が決まった。けれど、本当の難しさはそこからです。採用は、迎える側の準備ができてはじめて成功します。
「最初のひとりが難しい」と言われますが、その難しさの多くは、本人ではなく受け入れる側、つまり社内の準備不足にあります。この記事では、採用の前に整えておきたい受け入れ体制と社内理解について解説します。なぜ最初のひとりが難しいのか、その全体像はこちらの記事で触れています。
受け入れがうまくいかない会社の共通点
受け入れでつまずく会社には、共通点があります。「採用したら、あとは現場に任せる」になっていることです。
誰が日々関わるのか、困ったとき誰に相談するのか。それが決まっていないと、本人も、受け入れる現場も孤立します。配属された部署が「どう接すればいいか分からない」まま放置されれば、関係はこじれ、早期離職につながります。
「採用は人事、受け入れは現場」という分断もよく起こります。けれど、迎える準備は採用の前から、人事と現場が一緒に進めるものです。
採用の前に整える、3つのこと
① 役割分担|誰が支えるかを決める
まず、キーパーソンと相談先を決めます。日々のフォロー役、業務を教える役、困りごとの相談窓口。一人に背負わせず、複数で支える体制にしておくと、現場の負担も偏りません。「誰が・いつ・何を支えるか」を、採用の前に紙に落としておきます。
② 社内理解|なぜ取り組むのかを確かめ合う
現場が納得しないまま受け入れても、関係はうまくいきません。なぜ自社が障がい者雇用に取り組むのか、新しく入る人にどう関わってほしいのか。これを、配属先だけでなく関わる社員と事前に共有します。経営者自身の言葉で「会社としての意思」を伝えることも効きます。社内理解は、一度の説明で終わるものではなく、対話を重ねて整えていくものです。
③ 合理的配慮|働き方を本人に合わせて調整する
合理的配慮の提供は、事業主の義務です(障害者雇用促進法)。とはいえ、特別なことばかりではありません。指示を口頭ではなく文書で渡す、作業手順を視覚化する、休憩のタイミングを調整する、集中しやすい席を用意する。本人の特性に合わせた小さな調整の積み重ねが、働きやすさをつくります。何が必要かは人によって違うので、本人と確かめ合いながら決めるのが基本です。
「特別扱い」への懸念をどう解くか
受け入れでよく出るのが、既存社員からの「特別扱いではないか」という声です。ここは、配慮と特別扱いは違う、と整理することが大切です。
配慮とは、同じ土俵で力を発揮してもらうための調整であって、仕事を甘くすることではありません。むしろ、誰にとっても分かりやすい指示や、明確なルールは、既存社員の働きやすさにもつながります。必要な配慮の理由をオープンに共有すれば、不公平感は和らぎます。隠すほど、かえって憶測と距離が生まれます。
受け入れは、一度きりではない
入社直後は、集中的にフォローする時期です。そこから少しずつ、通常の運用へ移していきます。最初の数週間で「放置されている」と感じさせないことが、その後の定着を大きく左右します。
受け入れの先にある定着の設計、つまり続けるためのしくみについては、別記事で解説します。採用して終わりにしない|定着を支える設計
ACTION POINTS
今日からできる、3つのこと
- 「誰が・いつ・何を支えるか」を採用の前に1枚にまとめる
- 配属先と関わる社員に、取り組む理由を事前に共有する
- 本人に必要な配慮を、入社前後に一緒に書き出して確かめる
迎える準備から、一緒に。
受け入れ体制づくりや社内理解の進め方、合理的配慮の具体策まで、現場に合わせてお手伝いします。「何から手をつければいいか分からない」段階からのご相談で構いません。
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出典・参考
※本記事は、siroの障がい者雇用支援の知見と、公的機関の資料をもとにした一般的な整理です。御社に合った受け入れ体制は業種や組織によって変わるため、具体的なご相談はお問い合わせから承ります。
siro編集部
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