
障がい者雇用は、採用がゴールではありません。むしろ、採用してからが本番です。定着まで設計してはじめて、障がい者雇用は組織の力になります。
そして定着は、気合いや相性の問題ではありません。続けられるかどうかは、しくみで決まります。この記事では、入社後に定着を支えるための設計を解説します。
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1年で、約4割が辞めている
まず、現実を直視します。障害者職業総合センターの調査によると、一般企業に就職した障がい者の定着率は、就職後3か月時点で76.5%、1年時点では58.4%でした(就労継続支援A型を除く)。1年のうちに、およそ4割が職場を離れているということです。
障害種別で見ると差があり、とくに精神障がいは1年時点で49.3%と、半数以上が離職しています。「採用したものの続かない」という悩みは、決して珍しいものではありません。
裏返せば、定着を意図的に設計できれば、それだけで大きな差になるということです。
なぜ、辞めてしまうのか
離職の理由は、短期と長期で傾向が異なります。入社して間もない時期は「労働条件が合わない」「業務がうまく進められない」といった、ミスマッチや業務面の課題が目立ちます。一方、1年を過ぎる頃には、体調や病気の影響が前に出てきます。
つまり定着には、二つの設計が要ります。入社直後の「ミスマッチを埋める設計」と、その後の「変化に対応し続ける設計」です。前者は受け入れ体制の話なので別記事に譲り、ここでは後者を中心に扱います。
定着を支える、4つのしくみ
① 定期的な振り返り(1on1)
もっとも基本的で、もっとも効くのが、定期的な振り返りの場です。週1回でも月1回でもかまいません。小さな違和感や困りごとを、大きくなる前に拾います。「困っていることはない?」と漠然と聞くより、業務・体調・人間関係といった具体的な切り口で確かめると、本音が出やすくなります。
② 変化に合わせて配慮を更新する
合理的配慮は、一度決めて終わりではありません。本人の体調も、任される業務も、時間とともに変わります。入社時に決めた配慮が、半年後には合わなくなることもある。配慮は固定するものではなく、変化に合わせて整え直すものです。
③ 成長と役割を見直す
定着は、現状維持ではありません。職域設計の積み上げモデルのように、習熟に応じて任せる範囲を少しずつ広げると、本人の手応えと成長実感につながります。ただし、これは全員に当てはまるものではありません。安定して働けることに価値を置く人には、無理に役割を広げず、得意な職務に腰を据えてもらう。本人がどちらを望むかを、対話で確かめながら進めます。職務の広げ方は職域設計の記事もあわせてご覧ください。
④ 社外の支えとつながる
定着は、社内だけで抱え込む必要はありません。ジョブコーチ、就労移行支援事業所による定着フォロー、就労定着支援、医療機関。社外の専門的な支えとつながっておくと、社内では気づきにくい変化にも対応できます。支援機関との連携は、定着を大きく後押しします。
「定着率」の本当の意味
定着率は、追いかけるべき結果ではありますが、目的ではありません。本当に大切なのは、辞めずにいることではなく、本人が力を発揮し続けられているかです。我慢して在籍しているだけの状態は、本当の定着とは言えません。数字の裏にある働く実感まで見届ける。それが、続く雇用の姿です。
siroの伴走
障がい者雇用そのものは、会社が自ら営むものです。siroの仕事は、その定着の設計に伴走することにあります。振り返りの仕組みづくりから、配慮の見直し、支援機関との連携まで、現場に合わせて一緒に整えます。
siroのグループには、精神・発達障害のある若年層の就労支援を専門とする就労移行支援事業所(株式会社ao)があります。送り出した先での定着まで見てきた現場の知見が、私たちの定着設計の土台になっています。
ACTION POINTS
今日からできる、3つのこと
- 入社後の振り返り面談を、頻度と担当を決めて予定に組み込む
- 入社時に決めた配慮を、3か月・半年で見直す機会をつくる
- 連携できる支援機関(ジョブコーチ・就労定着支援など)を一つ把握しておく
採用して、終わりにしない。
振り返りの仕組みづくりから配慮の見直し、支援機関との連携まで、定着の設計を一緒に整えます。「続けてもらうために何をすれば」という段階からのご相談で構いません。
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出典・参考
※本記事は、siroの障がい者雇用支援の知見と、公的機関の調査資料をもとにした一般的な整理です(統計は調査時点の値)。御社に合った定着の進め方は状況によって変わるため、具体的なご相談はお問い合わせから承ります。
siro編集部
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