共感×スピードで勝ち抜くコツ|スタートアップのための採用戦略

「いい人がなかなか見つからない」「応募がそもそも来ない」「採用活動に時間を割けない」
スタートアップやベンチャー企業が抱える採用の悩みは大手企業とはまったく違う次元にあります。
ネームバリューも、潤沢な予算もない。
でも、それでも「今この瞬間に、一緒に走ってくれる仲間がほしい」。
限られたリソースの中で、いかに優秀な人材を採用するか。
その鍵となるのが、共感を呼ぶ情報発信と“スピード感のある選考プロセス”です。
「採れない理由」ではなく「採れるやり方」を知りたい方へ。
最後まで読んでいただき、今日から実践できるヒントを見つけてください!
スタートアップの採用はなぜ難しい?
大手企業との違いから見る“採用の壁”
スタートアップにとって、採用は事業成長のカギを握る重要な活動です。
しかし、多くのスタートアップが「採用が思うように進まない」という壁にぶつかります。
なぜなのでしょうか?
その理由は、大手企業と比較したときの圧倒的な差にあります。

1. ブランド力の差:知名度の壁
大手企業であれば、求人票を出せば自然と応募が集まることも珍しくありません。
一方スタートアップは、そもそも「知られていない」という状態がスタート地点。
どれだけ魅力的なプロダクトやカルチャーがあっても、まず知ってもらわなければ届きません。
2. 資金力の差:リクルートコストの壁
大手企業は、採用広告や人材紹介など複数のチャネルに同時投資できます。
一方スタートアップでは、限られた資金の中で「どこにどれだけコストをかけるか」をシビアに見極める必要があり、最適なチャネル選びと戦略が求められます。
3. リソースの差:専任チームがいない現実
大手では人事部門が分業で動けますが、スタートアップでは経営者や現場のメンバーが採用を兼任するケースも多く、時間もノウハウも不足しがちです。
「忙しくてスカウトメールが送れない」「面接の日程調整が追いつかない」など、リソース不足がそのまま採用難につながるのが現実です。
このようにスタートアップの採用は、大手に比べて戦うフィールドがそもそも違います。しかし見方を変えれば、スピード感・柔軟性・共感軸を武器にできるのもスタートアップならではです。
「誰を・なぜ採るか」を明確に
採用活動を成功させるためには、まず「どんな人材を、どんな目的で採るのか」を明確にすることが欠かせません
特にスタートアップでは、組織のフェーズやリソースによって必要な人物像が大きく異なります。
スタートアップに必要な人材像

スタートアップで求められる人材は、大企業で活躍する人材像とは大きく異なることがあります。
以下のような特性を持った人材が、スタートアップにはフィットしやすいと言われています。
- 変化に柔軟に対応できる人
→ 毎月のように業務内容や戦略が変わる環境をポジティブに受け入れられる人 - 自走力がある人
→ 明確な役割分担がない中でも、自ら課題を見つけて動ける人 - ミッションやビジョンに共感している人
→ 会社の価値観に深く共鳴しており、多少の困難でも折れずに進める人 - 「職種の枠」を超えて関われる人
→ 例えばエンジニアだけど採用にも関わる、営業だけどプロダクト改善にも口を出せる、そんな越境型人材が求められる場面も
スキルだけでなく、カルチャーフィットを重視することが、採用の失敗を防ぐ大きなポイントになります。
ミッション・ビジョンとの共感を軸にした採用戦略とは
スタートアップにとっての最大の武器は、「これから何を目指すのか」というミッション・ビジョンそのものです。
大手企業のように待遇やブランドでは勝てない中で、共感こそが人を動かす原動力になります。
具体的に、こんな工夫が有効です。
- 求人票やスカウト文に、ミッション・ビジョンを必ず入れる
→ ただの業務説明ではなく、「なぜその仕事が会社の未来に必要なのか」を伝える - 選考の中で、想いを直接伝える機会をつくる
→ 面接だけでなく、カジュアル面談やCEOとの1on1など、想いが伝わる接点を設計 - SNSやブログを通じて“考え方”を発信する
→ 日頃の発信が、共感を呼ぶタッチポイントになり、ファン採用につながる
「この会社の挑戦に、自分も加わりたい」
そんな気持ちで応募してくれた人材こそが、スタートアップにとって最高の仲間になります。
採用を通じて共感できる仲間を集めることは、単なる人材確保ではなく、企業文化の基盤づくりでもあるのです。
共感される求人票の書き方
スタートアップの採用で特に重要なのは、「応募してみたい」と思わせる求人票をどう作るか。
単なる条件やスキルの羅列ではなく、「ここで働く意味」が伝わる求人票が共感を呼びます。
現場の声を入れたリアルな文面
候補者が最も知りたいのは、「実際にどんな人たちが、どんな思いで働いているのか」という現場のリアルです。
求人票にはぜひ、現場メンバーの言葉やエピソードを盛り込んでみましょう。
- 「このチームで働いていて一番やりがいを感じる瞬間は?」
- 「1日のスケジュールは?どんな人と関わる?」
- 「入社後、想像と違ったこと・よかったこと」
自社ならではの魅力を盛り込む
「自社ならではの魅力ってなんだろう?」と悩むスタートアップは少なくありません。
でも実は、大企業ではできないような、小さな組織ならではの魅力がたくさんあります。
たとえば・・
- 決裁の速さ・裁量の大きさ
→ 入社直後からプロダクトの意思決定に関われる - 役割を超えた越境体験
→ エンジニアだけど採用にも関わる、営業だけど事業企画にもタッチできる - 創業メンバーと一緒に事業を創るフェーズに立ち会える
→ 会社の“0→1”や“1→10”の瞬間にリアルに関われる
こういった魅力を、単に事実として書くだけではなく、「それによって得られる経験や価値」とセットで伝えることがポイントです。候補者は、条件よりも「自分がその会社で何を得られるか」に興味を持っています。
自社の当たり前が、他社にとっての“魅力”になることも。
ぜひ社内メンバーと一緒に、「自分たちらしさ」を言語化してみましょう。
採用チャネルの選び方
スタートアップにとって「どの採用チャネルに力を入れるか」は、採用の成果を大きく左右する重要なポイントです。
限られたリソースを有効活用するためにも、各チャネルの特徴を理解し、自社のフェーズや採用ターゲットに合った手法を選ぶことが大切です。
スカウト、リファラル、SNS、求人メディアの使い分
・スカウト(ダイレクトリクルーティング)
Wantedlyやビズリーチなどでは1通あたりの反応率が低いため、質の高い文面作成やPDCAが不可欠です。
・リファラル(社員紹介)
成功報酬などのインセンティブが必要な場合もあり、導入制度設計が重要です。社員の巻き込み方で成果が変わります。
・SNS採用(InstagramやXなど)
若手層に有効で、ブランディングとセットで活用することで長期的に効果を発揮できます。即戦力採用には向かない場合も。
・求人媒体(リクナビNEXTやエン転職など)
費用は出稿形式や期間によって変動。短期間での母集団形成には効果的ですが、マッチ度は媒体選びと求人内容に左右されます。
スタートアップに合った媒体・手法の特徴比較

スタートアップは、「すべてに手を出す」のではなく、目的に応じてチャネルを組み合わせる選択と集中がカギです。例えば「まずはSNSで興味を持ってもらい、Wantedlyでカジュアル面談→スカウトで個別フォロー」のような導線設計も効果的。
面接・選考プロセスの最適化
せっかく出会えた優秀な候補者も、選考プロセスが煩雑だったり、コミュニケーションが不十分だったりすると、離脱につながってしまいます。
特にスタートアップではスピードと納得感のある選考体験が重要です。
ここでは、スムーズなプロセス設計と、オファー辞退を防ぐフォローの工夫をご紹介します。
カジュアル面談→選考→最終決定までのスムーズな流れ

候補者の離脱を防ぎ、魅力をしっかり伝えるためには、選考ステップの「設計」と「一貫性」がポイントです。
1.カジュアル面談(相互理解)
→ 自社のミッション・雰囲気を伝える場。候補者の不安を取り除く目的で行う。
→ 担当は現場メンバーや代表など“想い”を伝えられる人がおすすめ。
2. 一次選考(スキル・経験の確認)
→ 応募ポジションに必要なスキル・思考力を確認するフェーズ。オンラインでもOK。
3. 最終面接(カルチャーフィットの確認)
→ 代表や創業メンバーが登場し、ビジョンや働き方への理解・共感を見極める。
4.オファー提示(スピード感が命)
→ 迷っている間に他社へ流れてしまうことも。合意が取れたら、即オファーが鉄則。
ポイント
- ステップ数を増やしすぎず、「なぜこの順番か」が説明できる流れにする
- 候補者の温度感や不安を把握するこまめな連絡が、辞退防止にもつながる
オファー前後のフォローで辞退を防ぐ方法
スタートアップ採用では、「オファーを出した=入社確定」とは限りません。
むしろ、オファー提示のタイミングが最も辞退リスクの高いフェーズともいえます。
「すごく良い候補者だったのに、結局辞退されてしまった…」
そんな悩みを抱える企業は少なくありません。
では、どうすれば辞退を防ぎ、入社につなげることができるのでしょうか?
1. 「オファー前の相談型コミュニケーション」を挟む
正式なオファーを出す前に、「少し相談させてください」というスタンスで、候補者の不安や条件の希望をすり合わせる時間を取るのが有効です。
「今お話を進めさせてもらっている中で、◯◯さんにぜひジョインいただきたいと思っています。
オファーを出す前に、一度ご希望の働き方や条件をすり合わせさせていただけませんか?」
このひと手間を挟むことで、「いきなりオファーが来た」ではなく、「自分の希望に寄り添ってくれている」と感じてもらいやすくなります。
2. 社内メンバーとの接点を増やす
オファーを出してから返答を待つだけではなく、候補者が「この会社で働くイメージ」をより具体的に描けるような場づくりが効果的です。
- Slackなどで社内メンバーと軽くつないでみる
- オンライン雑談会や「飲み会風」の場をセッティング
- 入社後一緒に働くメンバーからのメッセージを送る
「この人たちとなら楽しそう」「雰囲気が合いそう」と思ってもらえれば、辞退の理由の多くであるなんとなくの不安を解消できます。
3. オファー提示後は「こまめなフォロー」がカギ
オファーを出した後、連絡を待つだけになっていませんか?
候補者はその間、他社の面談が入っていたり、家族と相談していたり、頭の中でいろんなことを巡らせています。そんなとき、企業からのこまめな声かけが「気にかけてもらえている」と安心感を与えてくれます。
- 提示から1~2日後に「ご質問ありませんか?」と気軽に連絡
- 迷っている気配があれば、「一度ざっくばらんに話しましょうか?」とカジュアルな場を用意
- 週末前後に「良い週末をお過ごしください!」など雑談ベースの連絡をするのも◎
大切なのは、「売り込み」ではなく「伴走する」姿勢。
候補者が選ばれていると感じるのではなく、一緒に選び合っている関係性を築くことが重要です。
まとめ
スタートアップ採用において大切なのは「共感とスピード」
スタートアップの採用活動においては、大手企業のようにブランドや資金力で勝負するのではなく、共感とスピードが最大の武器になります。候補者との出会いの場では、まずは自社のミッション・ビジョンにどれだけ共感してもらえるかが鍵。
そして、選考フェーズでは迷わせないスピード感のある対応で、候補者の熱量が高いうちに意思決定まで導くことが大切です。限られたリソースでも、丁寧な情報発信とスムーズなプロセスを設計することで、スタートアップらしい魅力ある採用が可能になります。
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siro編集部
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